不器用なあいつ
細々としたものをまとめて、机に戻る。
チラッと目をやってきた拓海は視線を元に戻したと思ったら、こっちを二度見してくる。
「それ、何」
「今日のおやつの紅茶とクッキー」
ここは何部? と首を傾げられた。
「家庭科部だって。
だからほら、このクッキーも」
「あ、手作りなんだ」
「そうだったらそれっぽかったよね」
あたしの返事にがくっと体を揺らす彼。
「なんなんだよ!」と少し笑っている。
だって、お菓子があるだけでも家庭科部っぽくない?