尻尾を振るオォカミと引きこもりタヌキ
タヌキの母親は少しタヌキに厳しかった。




タヌキの母親も農家の娘。





幼い頃自分がしてきた事をタヌキにも教えた。





タヌキは小学校に入学してからは、朝は茶碗洗いをしてから学校へ。
家に帰ると廊下の拭き掃除、ご飯炊き。
お風呂の掃除。





友達と遊びたい盛りのタヌキ…





時間通りに家に帰って自分のやる事をしていないと、母親に叱られ、叩かれた。





厳しい母親。






タヌキは毎日、毎日、母親に叱られる。
母親に叱られるのが嫌で、小学生の頃は大きなリュックに家出道具を詰め、何時でも家出が出来るように机の横に置いていた。





そんなタヌキの母も、タヌキが中学1年の頃に子宮癌になり、病院に行った時には手術をしても助からない診断。




1年後の夏にタヌキの母親は他界。




タヌキは病気の母親が家に居ても、率先して手伝う事はなかった。
部屋で寝ている母親に「 『行ってきます』『ただいま』を言わないのは結子だけ。」と言われた事もあった。



タヌキは母親が死んでも悲しく無かった。







『母親に叱られない生活が待っている!』と思ったから。。。







 
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