尻尾を振るオォカミと引きこもりタヌキ

狼の生い立ち

オォカミ(和生)は………




父親の記憶も母親の記憶も無い。





うっすら、頭の片隅に父親の運転するトラックの助手席に乗ったと言う記憶だけ…





オォカミの母親はオォカミが4才の頃、他界。




オォカミとオォカミの1つ下の妹『ユマ』は父親の元に行かず、父親の親戚の家をあちこちと転々とまわされ、施設にも預けられた。




オォカミには、腹違いの4人の姉もいる。
転々としている時、途中まで一緒に暮らして居た。




けど、離れ離れの生活に。





『ほれ、私らの所にはあんたいらないから、次の人がもらいに来たよ』
貰われる家、次の家、次の家、そう言われあずけ続けられたオォカミは「施設で生活してる方が幸せだった!」と言う。





オォカミの妹はまだ幼く可愛い盛りだったので、子供のいない家に直ぐに養子に貰われて行った。





オォカミが5才になる頃、オォカミの父親の妹夫婦の家、石川家で生活をするようになった。





石川家にはオォカミより2才上と1才下の男の子が2人いた。





身体の小さかったオォカミは何時もその兄弟にイジメられていたが、オォカミだって負けてられない!





オォカミがやり返すと、必ずオォカミだけ叱られ、外の木で 出来た古い物置に一晩中閉じ込められた。







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