俺様一途ドンドコドンッ!
俺は迷いなく、カーテンを広げた。
「 ! 」
「 見っけ、愛弓~ お前の負け 」
「 か、海翔くん 追いかけないでよっ」
追いかけるなって、それは無理。
「 だったら、逃げんな… 愛弓、俺から逃げんな!」
カーテンを広げて、俺ごと愛弓を包み込んだ。
「 か、海翔くっ!?」
「 なぁ 愛弓、いい加減あきらめろよ 」
「 だったら、追いかけないで… 」
追いかけるなって顔赤くして言う事か?
「 俺の何が不満なんだよ?みんな俺と付き合いたがるのに 」
「 ……自意識過剰?」
「 愛弓~ それは不満とは言わねぇ 」
「 私じゃなくても… 可愛い子も綺麗な子もいっぱいいるのに、なんで私?わかんないの… 」
「 愛弓がいいって、理由がないとダメなのか?逆にわからん 」
言ったとたん、俺の腕からスルッと抜けてダッシュで走り去る愛弓。
まぁ、腕のなかでなくても 教室に入れば隣に座るんだから。
でも、ちょっと かったるい… 毎日毎日、俺はずっと愛弓だけを追っている。
いっそ、愛弓を追わずにいるのもいいかもしれないと思った。
俺に出来るか?
俺は結局、そのまま授業をサボって屋上前の踊り場に寝っ転がる。
愛弓は俺がいなくても気にしない。
そこに茶髪に、ブラウンのコンタクトにクドイ付け睫に化粧した女がそばにきた。