北条くんの日常

その手付きが余りに優しくて思わず頬が緩む。

「その顔反則かわいすぎる」

「かわいいのはそっち」

悔しく思って、頭を撫でていた手を掴んでこちらに引き寄せる。

急に引っ張られてバランスを失った高梨は俺に抱きつく形になってバランスをとる。


そっと抱きしめて、弱いと知っている耳元で囁く。

「長いキスしたいんだけど」

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