北条くんの日常


お昼休みになって何時もの通り弁当と、和菓子を出す。

今日は雪をイメージしてつくってみた。


「うわあ、雪みたい」


和菓子を取り出してすぐ、高梨がそう言った。

それだけで情けないことに本当に嬉しくなる。

以心伝心だ、なんて。


「そう、雪をイメージしたんだよ」

それだけで喜んでいることを高梨に知られたくなかったから、平静を保って言った。


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