高梨さんの日常
「…ん、…ちゃーん、たーかーなーしーちゃーん!!!!!」
少したって、お姉さんに電話をしようとした時に、呼ばれるのが聞こえた。
声の方を向くと、猛ダッシュでこっちに向かってくるお姉さん。
「ご、ごめん、動揺しちゃって、迷っちゃったよね、ほんとごめん」
どれくらい探し回ってくれたのだろうか、ゼイゼイと息を切らしている。
「大丈夫ですよ」
「ふう…よかった」
深呼吸をして荒い息をしずめて、にっこりとわらった。
「さ、気を取り直していくぞー、おー!」
調理室に荷物を置いてきたらしく、私のを一つ持ってくれて、一緒に向かった。