高梨さんの日常





「…ん、…ちゃーん、たーかーなーしーちゃーん!!!!!」


少したって、お姉さんに電話をしようとした時に、呼ばれるのが聞こえた。

声の方を向くと、猛ダッシュでこっちに向かってくるお姉さん。

「ご、ごめん、動揺しちゃって、迷っちゃったよね、ほんとごめん」

どれくらい探し回ってくれたのだろうか、ゼイゼイと息を切らしている。


「大丈夫ですよ」

「ふう…よかった」

深呼吸をして荒い息をしずめて、にっこりとわらった。

「さ、気を取り直していくぞー、おー!」

調理室に荷物を置いてきたらしく、私のを一つ持ってくれて、一緒に向かった。


< 33 / 49 >

この作品をシェア

pagetop