ロゼ【実話】


叔父に、背中を擦ってあげろと言われるまで、私はロゼに触れることが出来なかった。


ロゼの体に触れる手も微かに震えていて、苦しそうなロゼを見る度 涙が込み上げてくる。


突拍子の無い大きな鳴き声にビクリとしながら、私は躊躇いがちにロゼの体を撫でた。


「もう帰ろう。」


父の一言が、そのときの私には救いだった。


これ以上、この重い空気に耐え切れなかった。


こんなにも苦しそうなロゼを見ていられなかった。


どうすることも出来ない自分を、これ以上 直視していたくなかった。


明日は学校。


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