ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
「じゃ、このままここにいるわけにもいかないし、俺の事務所に行こう」
ウィリアムは、壁に寄りかかりながら立ち上がった。
横目で少女を見ると、心配そうな顔でウィリアムを見上げている。
「ねぇ、あなた、肩が…」
ウィリアムは自分の左肩を見た。肩から袖口まで、じっとりと赤く濡れている。
「ああ、これか。あれだけ撃ちゃあ当たるだろうな。腕前には疑問が残るわけだが…」
「でも…」
「心配するなって。怪我には慣れてるから。ほら、立て」
ウィリアムは空いている手で少女を立たせた。
細い路地を出ると、さっきまでと同じ真っ青な空が広がっていた。
平和、か……。
ウィリアムは腕をかざして、照りつける太陽を睨んだ。
これから始まる波乱を、予感していた。
ウィリアムは、壁に寄りかかりながら立ち上がった。
横目で少女を見ると、心配そうな顔でウィリアムを見上げている。
「ねぇ、あなた、肩が…」
ウィリアムは自分の左肩を見た。肩から袖口まで、じっとりと赤く濡れている。
「ああ、これか。あれだけ撃ちゃあ当たるだろうな。腕前には疑問が残るわけだが…」
「でも…」
「心配するなって。怪我には慣れてるから。ほら、立て」
ウィリアムは空いている手で少女を立たせた。
細い路地を出ると、さっきまでと同じ真っ青な空が広がっていた。
平和、か……。
ウィリアムは腕をかざして、照りつける太陽を睨んだ。
これから始まる波乱を、予感していた。