ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
ルール
「ま、汚いところだが、上がってくれ」
ウィリアムは建物の正面の、小さな石段を上がり、明らかにグラグラしているドアノブを回した。
後ろで、少女が顔をしかめている。
建物のコンクリートは黒ずんでいて、亀裂が縦横無尽に駆けめぐっている。
いつ建ったのかまったく見当がつかない。
少女は部屋に足を踏み入れると、
うわ……
とつぶやいた。
「なにこれ、埃だらけじゃない。あんたホントに、こんなところで仕事できてるの?」
「失礼なやつだな、やってるよ。まぁ月に4回依頼があればいいほうなんだけど」
「仕事がないだけじゃない!」
呆れた、と少女は肩を落とす。
ウィリアムは建物の正面の、小さな石段を上がり、明らかにグラグラしているドアノブを回した。
後ろで、少女が顔をしかめている。
建物のコンクリートは黒ずんでいて、亀裂が縦横無尽に駆けめぐっている。
いつ建ったのかまったく見当がつかない。
少女は部屋に足を踏み入れると、
うわ……
とつぶやいた。
「なにこれ、埃だらけじゃない。あんたホントに、こんなところで仕事できてるの?」
「失礼なやつだな、やってるよ。まぁ月に4回依頼があればいいほうなんだけど」
「仕事がないだけじゃない!」
呆れた、と少女は肩を落とす。