ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
「やつらが言ったの。

お前は誉れ高きアーヴィング家の娘。

ロイド・アーヴィングの血を分けた娘だ、って。

最初は、なにがなんだか分からなかった…。

母さんは、父さんのことはほとんど話してくれなかったし、父さんを見たのだって、80歳のお祝いのパーティで見かけただけだったし」

それからマリアが話したことをまとめると、こういうことである。

マリアはアーヴィング家の血を引く5番目の子供で、本人の意志に関わりなく遺産争奪戦に参加しなければならないこと。

母親はマリアを身ごもった際、生まれてくる子供はアーヴィング家の支配下に置くことを了承したこと。

争奪戦の参加を拒否したり、警察に連絡する場合は、この場で抹消されるということ。

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