ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
黒服の男は体を引っ込めた。

フロントガラス、ボンネットに連射したが、びくともしない。

「まずいな……」

ウィリアムは前に向き直りながら呟いた。

「え!?」

マリアが叫ぶように聞き返す。

「このポンコツじゃ、装備に差がありすぎる…!」

パパパパパパッ

上からは相変わらず、絶え間なく機銃掃射。

道に沿った建物に、かなりの人数のスナイパーが仕込まれているようだ。

サイドミラーを覗くと、後ろの車から2人の男がスナイパーライフルを構えるのが見えた。
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