ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
「また怪我したんだね……。相変わらず、無茶ばかりするよね……ウィリアムは……」

「え!?昔からこうだったの!?」

マリアは驚いてウィリアムを見上げた。

彼はバツの悪そうな顔をしている。



「そんなことより、グリーフ。車を貸してほしい。防弾仕様のだ」

「そう来ると思って、1台用意しておいたよ……。さっき来た道を戻って、右に曲がって3つ目の出口を上がってごらん……」

「サンキュ。さすがはベテラン、頼りになるぜ。金は仕事が済んだら払うよ」

「勝つつもりだね……。そううまくいくかな……?」

「うるさいなっ。水をさすな」

ウィリアムは、声だけの相手に平気でツッコミを入れている。
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