ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
マリアはびっくりして、へぇぇ、と間抜けな返事をしてしまった。

実体の無い、意識だけの存在かぁ。

幽霊みたいだわ…。

「それと、誰か借りられるスナイパーかボディガードはいるか?」

「いや……。残念ながらいないね……。

僕のところにも圧力がかかったんだよ……。

僕は人間の手によるメンテナンスがなければ存続できない……。

弱い存在なんだよ……」

そうか、とウィリアムはため息まじりに言った。

「でも、ドライバーなら貸せるのが1人いるよ……。日系3世の運び屋だ……」

「それだけでもずい分闘いやすくなる。ありがとう」

「僕にできるのは、これくらいだよ……。あとはウィリアム、君次第だ……」
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