ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
ワゴンの中は、普通の座席ではなかった。

運転席と助手席の後ろには仕切り壁があって、後部座席とは隔てられている。

壁には小さめの窓がついていて、前の状況を覗けるようになっている。

真ん中は広いスペースになっていて、両サイドに箱状のベンチが備えつけられていた。

背面のドアは、両開きになっていた。

いくつものつっかえ棒や鍵で、頑丈に施錠できるようになっていたし、ボディの装甲も十分に厚そうだった。

ウィリアムとマリアは、座席に向かいあって座った。
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