ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』
ウィリアムは少女を抱えあげ、歩道を走りだした。
後を追う銃弾。
悲鳴。
弾があたってはじけたレンガが舞う。
ウィリアムは、用水路の上に架かる橋を渡り、古いレンガ造りの家が並ぶ薄暗い路地に駆け込んだ。
銃声は止んだ。
息をひそめる。
しばらくじっとしていた。
不審な人物は現れない。
「…よし。もういいぞ」
はぁぁ、と少女は長い息を吐いた。
そして、ウィリアムにぎゅっと抱きついていることに気づくと、慌てて離れた。
隣で体育座りをする。
「なーに照れてんだ」
ウィリアムが頭をこづくと、少女は頬を赤らめてそっぽを向く。
なんだ、可愛いところもあるじゃないか。
後を追う銃弾。
悲鳴。
弾があたってはじけたレンガが舞う。
ウィリアムは、用水路の上に架かる橋を渡り、古いレンガ造りの家が並ぶ薄暗い路地に駆け込んだ。
銃声は止んだ。
息をひそめる。
しばらくじっとしていた。
不審な人物は現れない。
「…よし。もういいぞ」
はぁぁ、と少女は長い息を吐いた。
そして、ウィリアムにぎゅっと抱きついていることに気づくと、慌てて離れた。
隣で体育座りをする。
「なーに照れてんだ」
ウィリアムが頭をこづくと、少女は頬を赤らめてそっぽを向く。
なんだ、可愛いところもあるじゃないか。