君に恋していいですか?
週末の一件から週明け。



出社するのがこんなに楽しみなのって過去にも無かった気がする。



デスクに置かれたランチボックス。



小さな手紙が折りたたまれ挟んであった。



【お口に合うといいのですが。週末はご馳走様でした。】



彼女なりの気遣いなのだろう。



「おはようございまーす!」

山野井と畑中が揃ってやってくる。


「課長!この前はご馳走様でした!」


「ああ、また機会があればやろうな。」


そう言うと近付き耳元で囁いてくる。

「あの後、池永お持ち帰りしたんすか?」



…は?


「なんか2人の仲がいい感じだったんで〜。」



お持ち帰り。




お持ち帰り?


「なんでそうなるんだよ…俺、若くないんだからさ、そんなバイタリティ残ってないぞ…」



全身から力が抜けた。



「いやなんか、すっげえいい雰囲気だったんすよー、課長を見る池永、池永を見る課長。俺てっきりそうなのかと…」




「池永に失礼だろ。」




そう言うとデスクに目を向けた。
置かれたランチボックス。
いい雰囲気…?俺が?



そんなつもりはなかったんだが。


無意識に意識しているのかもしれない。




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