君に恋していいですか?
その考えが浮かんですぐに、メールをした。




【好きになる気持ちは個人の自由だ。諦める必要なんかない。好きになっちゃいけない理由なんて、ないはずだから。】



そう書いて送信。



なぜか手が震える。



池永が誰かを好きになったんだ。


それは多分、叶わぬ恋。



だから、彼女は俺に相談しようとした。
だけど言い出せなくて相談出来なかった。


それでも諦めきれない恋心を、池永はどうしたらいいか迷ってるんだろう。




しばらくしてメールが届いた。



【ありがとうございます。わたし、諦めません。頑張ります。】




…読んだ瞬間、胸の奥が痛んだ。


ツキン、と痛む胸は何故。



彼女を目で追う自分に気付かないほど、それは突然で。


あまりにもすんなりと、柔らかく。




俺の心に芽生えた、芽吹いた、ある思い。





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