君に恋していいですか?
飛行機の中でボンヤリと考える。



詩織と出会うまでの俺は、こんな風に後ろ髪引かれるような事がなかったような気がする。



大切なものが出来るということ。


守るべき存在が自分を強くする。



(さて、何年も居るつもりはないから…何処をどう立て直すべきなんだ?)



支店の資料を片っ端から見ていく。



経営が思わしくない所をなんとかしてくれ、と頼まれたからにはベストを尽くさねば。



その代わり、立て直しが済み次第本社に戻る約束になっている。



詩織のもとに早く戻るにはどうするべきか。



到着するまでの間、ひたすらそれだけを考えた。



でないと…詩織の涙を思い出して胸が苦しくなるから…。




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