君に恋していいですか?
12月の出来事。
仕事を一区切りして、自宅へ戻る。
10月1日に赴任して、早3ヶ月が経とうとしていた。
あの日。
別れの朝以来、詩織には会っていない。
たまに顔を見たい、触れたい、抱きたい、と思うことはあっても、早く本社に帰る為には妥協も甘えも俺には許されなかった。
おかげで、支社長に認められボーナスが以前の1.5倍でてホクホクだった。
詩織になにかプレゼントしよう。
淋しいクリスマスを過ごさせたお詫びに。
辛い思いをさせてしまったお詫びに。
何がいいか分からず悩んでも仕方ないので、本人と買い物に出て決めることにした。
空港に到着し、辺りを見回すと。
フワフワの茶色いロングヘアーが目に入った。
詩織…。
気付いたら駆け出していた。
振り向いた詩織を抱きしめる。
「詩織!」
「祐太朗さん…」
柔らかな身体の感触。
甘い匂い。
艶を含んだ声。
こんなにも愛おしい存在。
「ただいま。」
「おかえりなさいっ」
涙声の詩織。
一週間しかない休みだから、一分一秒が無駄に出来ない。
「行こう。早く二人きりになりたい。」
手を繋ぎ引っ張るようにして歩くと、クスクスという笑い声がした。
「詩織ちゃんしか見えてないー、あたしの存在は無視かー。」
その声は、お邪魔虫。
「お前はいらん。じゃあな。」
知らん顔をして去ろうとした俺に、咲はチャリチャリと何かの音をさせた。
「へー、愛車いらないんだ。貰っちゃおう。」
…この野郎。
「兄貴に会わせたいからわざわざ一緒に来たのに。」
そう言う咲を見ると。
隣には咲と背がほとんど変わらない(もしかしたら少し小さいかもしれない)男が立っていた。
10月1日に赴任して、早3ヶ月が経とうとしていた。
あの日。
別れの朝以来、詩織には会っていない。
たまに顔を見たい、触れたい、抱きたい、と思うことはあっても、早く本社に帰る為には妥協も甘えも俺には許されなかった。
おかげで、支社長に認められボーナスが以前の1.5倍でてホクホクだった。
詩織になにかプレゼントしよう。
淋しいクリスマスを過ごさせたお詫びに。
辛い思いをさせてしまったお詫びに。
何がいいか分からず悩んでも仕方ないので、本人と買い物に出て決めることにした。
空港に到着し、辺りを見回すと。
フワフワの茶色いロングヘアーが目に入った。
詩織…。
気付いたら駆け出していた。
振り向いた詩織を抱きしめる。
「詩織!」
「祐太朗さん…」
柔らかな身体の感触。
甘い匂い。
艶を含んだ声。
こんなにも愛おしい存在。
「ただいま。」
「おかえりなさいっ」
涙声の詩織。
一週間しかない休みだから、一分一秒が無駄に出来ない。
「行こう。早く二人きりになりたい。」
手を繋ぎ引っ張るようにして歩くと、クスクスという笑い声がした。
「詩織ちゃんしか見えてないー、あたしの存在は無視かー。」
その声は、お邪魔虫。
「お前はいらん。じゃあな。」
知らん顔をして去ろうとした俺に、咲はチャリチャリと何かの音をさせた。
「へー、愛車いらないんだ。貰っちゃおう。」
…この野郎。
「兄貴に会わせたいからわざわざ一緒に来たのに。」
そう言う咲を見ると。
隣には咲と背がほとんど変わらない(もしかしたら少し小さいかもしれない)男が立っていた。