三刀流―璃音―
「お客さん!団子をお持ちいたしました!」
『ん?あぁ、ありがとうな。』
「……あのぅ、お客さん。」
『ん?』
「“刹那”でしたか。そのことについてお悩みですか?」
『うむ…。少しな……』
「あまり薦め(すすめ)ませんが…、その……【壬生屯所】というところにお伺いしてみてはどうですか?」
『みぶ……?なんだ?そこは?』
「大きな声では申せませんが…」
そう言うと隣に座って小声で教えてくれた。
「【新撰組】という者たちの宿のようなところです。京の住人は皆、人斬りの集団などと言って毛嫌いしておりますが、彼らは人を斬るけど長州藩などの倒幕派から私たちを守ってくれる優しい集団です。決して悪い人たちではありませんよ?」
『………そうか…』
「ですから、頼ってみてはいかがですか?」
『うむ。では、そうしようかな。』
「!?」
『ん?どうしたのだ?』
「いえ……人斬り…なのですよ……?斬られるのかも……とは考えないのですか?」
その女将の顔は驚きに満ち溢れていた。
『だから?』
「へ?」