三刀流―璃音―
『だからなんなのだ?そんなことを気にしていたら何も始まらんだろうが。それに、あんたは《優しい集団》と言ったではないか。それに会ったらすぐ斬り捨てるような奴はおらんだろうが』
俺は微笑みながら女将に言った。
「っ!!!!」
『なんで泣いてんだよ女将さん』
女将さんは化粧をしていない頬に一筋、涙の道を作っていた。
そんな女将さんをなだめるように俺は笑いながら頭を撫でてやった。
「だって……。彼らのこと……ック………やっと嫌わない人が…ヒック……いて…よかったなぁって…ック……うぅ~」
『そうかぁ…。あんたはいいやつだな……。彼らのことを心配するなんて………』
よかったな“新撰組”共。大事にしろよ?女将さんのこと……。
「私……鈴(すず)って言います………ック」
『お鈴か。いい名だな……俺は璃音(りおん)って言うんだ。よろしくな?お鈴』
「こちらこそよろしくお願いしますね。璃音さん……。」
『璃音でいいよ。俺は鈴って呼ぶ。あと敬語は嫌いなんだ…』
「……わかったわ、璃音!」
その時の笑顔は本当にきれいだった――――――