続・危険なキス
 
「これでいい?」


ベッドに下ろし、満足そうに微笑む先生。

上から見下ろすその姿を、恨めしそうに見上げた。


「なんか……すごい先生のペースに巻き込まれてるんですけど……」
「でもお前もそのつもりで、泊まりに来たんだろ?」
「……」


「そうです」なんて、恥ずかしすぎて言えない。

先生は、フッと笑うと、あたしの耳たぶを甘噛みした。


「ひゃっ……」

「さっきみたいに、もっと素直に言えよ」

「…っ」


耳元で囁かれる言葉に、ぞくりとする。


今までとは比べようにないほど、心臓が加速していった。


「先生の…意地悪……」


なんとか絞り出された言葉。

先生は微笑むと、あたしの頬に手を重ねた。



「じゃなくて、ほかに言うことは?」

「……」



じっと目を見据えられ、
観念したように口を開く。





「先生が好き……。

 だからこの不安を、早く取り除いてください……」
 
< 110 / 344 >

この作品をシェア

pagetop