続・危険なキス
 
「どこ行くんだよ……」


まだ半分寝ているような寝ぼけ眼で、あたしをじっと見る先生。

なんだかこんな無防備な先生を見るのは初めてだ。


「時間……
 気になって……」

「今日何かあんの?」

「お昼からバイトです……」


今日は土曜日。

だから学校があるわけじゃないけど、バイトも入っているし
なんたって昨日は家に帰らず、急遽お泊りになったので服装も制服だ。

一度家に帰らないとマズイ。


先生はぐっと腕を伸ばすと
ベッド脇の棚に置いてあった携帯に手を伸ばす。



「8時27分」
「そうですか」


ならまだ少し余裕がある。

家に帰って、着替えて、軽くお母さんに言い訳して……。



「先生、シャワー……ゃっ」



先生は手に取っていた携帯を棚に戻すと、いつの間にか後ろからあたしを抱きしめている。
 
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