続・危険なキス
「お疲れ様です……」
「お疲れー。……柊さん、寝不足?」
「え?いや、そんなことないですよ」
ぼーっとしながら挨拶をして店内に入る。
そんなあたしの異変に気付いた店長が、鋭い突っ込みを入れた。
結局、昨日の夜だって先生が寝かせてくれたのは明け方近くになってからだし
今朝もあのまま流されちゃったし……。
もし仮に、先生と一緒に住むようなことがあったら
確実に体がもたないかも……。
「お疲れ様ですー」
あたしが入ってからすぐに、明るい声が響いた。
振り返る前から、その声を聞いて、体がビクンと反応する。
だけどここで避けるわけもいかず、おそるおそる振り返った。
「お疲れ…さまです……」
振り返った先にいたのは、予想通り美香さん。
美香さんはあたしに気が付くと、
「紫乃ちゃん、おはよう!」
明るく挨拶をしてくれた。