続・危険なキス
「お先失礼しますー」
自分の仕事時間も終わり、一言挨拶をして控室に行った。
美香さんはとっくに帰っていて、川崎さんは店に戻ってきたけど変わらず普通で、あたしの話でもなんでもないということもあり、特に気にしていなかった。
着替えも済ませて、忘れ物がないかのロッカーチェック。
携帯もちゃんと鞄の中にしまい、控室を出た。
「おつ!」
「あ……お疲れ様、です……」
控室の扉を開けたそこには、川崎さんが立っていて、一瞬ビクッとなってしまった。
思えば、仕事中以外で顔を合わすのは、
先生と遭遇したあの日以来。
川崎さんは、先生のことをよく思っていなかったようなので、自然と構えてしまった。
「あの、さ……」
「はい」
少し切り出しにくい話題なのか、溜めて話す川崎さん。
何を話されるかと、次の言葉をじっと待った。