続・危険なキス
「昨日……拓也と遊んだの……」
「うん」
昨日は日曜日。
休日デートをするくらいなら、さっさと告白してしまえ、と思ったのは言うまでもない。
「最初はイイ感じ、だと思ってたんだけど……
途中、紫乃の話になって……」
「あたし?」
「うん……。最近、元気ないね、って」
「……ああ…」
確かに、週末前は、先生と美香さんのことで悩んでいたから、周りからはそう思われたかもしれない。
麻衣子にも突っ込まれたし。
「拓也、すっごい心配しててさ!
あたしのことでは全然心配してくれないのに、紫乃のことになったら神妙な顔しちゃってっ……。
あの時の拓也を見て、
やっぱり拓也は、まだ紫乃のことを忘れてないんだな、って……思ったの……」
「……」
さっきまで小学生のように叫んでいた麻衣子は、いつの間にか目に涙を浮かべながら小さい声で話していて、
この子は本当に、楠木のことが好きで仕方がないんだと感じた。
実際のところ、そこまで言われたら楠木のことは分からない。
だけど麻衣子の目線からでは分からない、他の視点があったんじゃないかと思った。