続・危険なキス
 
「………でも……

 本当にやましいことなんて何もないですよ……。

 あたしは先生しか見えてない、ですから……」



言い訳よりも、もっと大事な言葉を伝えた。


確かに先生を嫌な気持ちにさせてしまったけど、でもあたしの気持ちが揺らぐことなんて何もなくて……。

ただずっとあたしを支えてくれた、麻衣子の力になりたかっただけ……。


「だから……」


何も答えてくれない先生を、不安な気持ちで見上げた。


視線が絡み合うと、先生は「はぁ……」とため息を吐く。

そして近づいてきた顔に、キスをされると思って目を閉じたら、
おでこにこつんと何かが当たった。

目を開けてみると、それは先生のおでこで……



「なんでお前のことになると、
 こんなに余裕のねぇ男になるかなぁ……」



目を伏せて、らしくない言葉を言う先生が目に映った。
 
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