続・危険なキス
12章 急な別れ
「終わったー!終わったよー!!」
チャイムが鳴って、先生がいなくなるのと同時に、麻衣子があたしの席へやってきた。
うるさいくらいのテンションに、思わず苦笑。
「ついに、高校最後のテストも終わったね!」
「そうだね。麻衣子、出来はどうだったの?」
「う……」
あたしの質問に、言葉を詰まらせる麻衣子。
「ま、まあ……赤点はとらないかなっ」
「そう」
麻衣子の顔色から言って、決していい出来ではなかったんだと分かった。
多分、麻衣子だけじゃなく
他の生徒も、赤点をまぬがれるくらいの点数の人が多いだろう。
課題さえ、出されない点数でなければ……と。
「でもさ、本当にあと少しだね……」
「え?あ、うん……そうだね」
いきなりしんみりとしたテンションになって、何のことなのかすぐについていけなかったけど、
それが残りの高校生活のことをさしているんだとくみ取れた。
ついに終わってしまった3年の学期末。
今日が終わったら、次に学校へ来るのはテスト返却日。
つまり、この学校に来るのは、残り数日なのだ。