続・危険なキス
 
あの日、あたしが楠木を呼び出して、麻衣子を追いかけさせた。


楠木はなんとか麻衣子を探しだし、勢いでそのまま告白をしたらしい。



(麻衣子!!
 ほかの男になんかなびくなよっ……。

 ……じゃなくてっ………


 俺………麻衣子のことが好きだ……。

 だからもう一度、俺とやり直してくれっ……)




ようやく、踏ん切りがついて、麻衣子に素直になった楠木。

麻衣子は一瞬言われたことの意味が分からなくて、ぽかんとしたあと、思いきり楠木に抱き着いたらしい。



長い間、めげずに楠木を追いかけ続けた麻衣子。

それが今、ようやく成就した。



「で、でもっ……
 拓也は拓也だしっ!

 あたしは、紫乃ともラブラブしたいの!」


「はいはい。
 ちゃんと連絡しますよ」


「紫乃~~~」



顔を赤くしながら言われても、説得力がない。


でもま、仕方がない、か。
あたしだって、あまり人のこと言えないし……。


だけど麻衣子と別々の大学になるのは、やっぱり寂しいな……。
 
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