続・危険なキス
 
だけど先生の腕が、あたしの体に回されることはなくて、
ベッドに押し倒されたまま、悔いるように天井を見上げている。


「……あたしのこと……
 やっぱりもう……好きじゃない、ですか……?」


何もしてくれない先生に、押し寄せてくるのは不安で……
もしかしたらあたしがとらえている感情は、ただの勘違いなんじゃないかと思えてきた。


その言葉に、先生の腕がぴくりと動き、あたしの肩にそっと触れた。


だけど抱きしめてくれることもなく、肩を押され、あたしの体は引き離される。

そのまま腕を引っ張られ、玄関まで連れてこられた。



「帰れ」



冷たく言い放たれた言葉。

これが、今の質問の答え……?


溢れてくる涙を必死に堪え、
もう成す術がないと、静かに靴を履いた。



もしかしたら……
もう二度と、この部屋には来れないかもしれない……。





「紫乃」




静かに呼び止められる名前。

ゆっくりと振り返った。
 
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