続・危険なキス
15章 引き下がれない
次の日は、バイトも入ってなかった。
学校もないし、何か予定を入れていたわけでもない。
目を真っ赤にさせながら、ひたすらベッドの上でぼーっと過ごしていた。
「………せんせい…」
時々思い出しては、吐き出される言葉。
ずっとずっと、
先生のあの切なげな瞳が離れない。
以前にもあった。
先生があたしの気持ちを受け入れてくれる前。
何も話さず、
最後に悲しいキスだけ落としてあたしから離れた。
きっと今回も、何かある……。
「………よし」
一つのことを決心して
あたしはクローゼットを開けた。
部屋着を脱ぎ捨て、一枚の私服。
腫れぼったい瞼に化粧を重ね、玄関の扉を開けた。
こんなところでうじうじしている自分なんて、自分らしくない。