続・危険なキス
 
「だけどようやく姉貴も現実を見始めてきて、湯浅にもう一度だけ会いに行くって言ってたんだ。
 自分の気持ちにケジメつけてくる、って……。

 大雨の日に……」


「……」


そこからはもう想像がついた。

最初に話した、川崎さんの言葉……。



「人って、そんな最低人間でも好きになれるわけ?
 フラれても、ずっと好きでい続けられるわけ?

 俺にはわかんねぇよ」



手でくしゃっと前髪を乱し、苦しそうに言葉を吐く。

いたたまれない気持ちになって、精一杯の今ある気持ちを川崎さんに伝えたいと思った。



「お姉さんは……

 幸せ、だったんじゃないですか?」


「は?」



ありえない言葉を言われたというように、低い声であたしを睨む。

だけどあたしだって引かない。
 
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