続・危険なキス
16章 好きです
 
ピンポーン……


いつものマンション。
いつもの部屋番号。

オートロックの前にある番号を押して、先生を呼び出した。


だけどそれに誰かが応答する気配はなくて
もう一度押したそれにも、ただシンとする空間が流れるだけだった。


「いない、か……」


通信中の電子音も、プツっと切れ、一歩後ろに下がった。



時間はまだ夕方の5時。
よく考えれば、あたしはテスト休みで学校はないけど
先生はまだ勤務時間中で……。



帰ってくるの、待ってよう。



一度オートロックの画面から離れると、マンションの前の石段に腰掛けた。
 
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