続・危険なキス
 
(悪かったな……。
 なんか紫乃ちゃんのこと、巻きこんじゃって……)

(いえ……)


あれから川崎さんは思いきり泣いたあと、
少しバツが悪そうに涙をぬぐってあたしへ振り返った。


そのまま立ち去ってもよかったけど、どうしても最後に確認したいことがあって……。


(あの……)
(ん?)


(先生に……お姉さんのこと、どこまで話したんですか……?)


先生が突然あたしに別れを切り出したこと。

それがどうしても引っかかって……。


もしもお姉さんが、亡くなったことだけを聞いて
勝手に自分のせいで自殺したと思い込んでいたのなら、早くその誤解を解きたい。



美香さんを自殺未遂へと追いつめたあの一件のせいで
きっと先生は過剰に反応すると思うから。



(姉貴が死んだってこと。

 今さら直接謝りに行くとか言いやがったから……
 もう遅ぇって。姉貴はもうこの世にはいないって言ったんだ。

 そこまで)



あたしの予想は、やっぱり当たった。
 
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