続・危険なキス
 
「どうしたの?私服なんかで学校に来ちゃって」
「あ……」
「……奏人なら、今日学校休んでるけど」
「え!」


神田先生の答えを聞いて、驚きの声を上げた。


神田先生は、あたしと湯浅先生のことを唯一知っている先生。

だからすぐに教えてくれ、あたしも素直に反応できた。


「何かあった?
 さっき、俺も奏人に電話したんだけど、機嫌悪そうですぐに切られて……」

「あの……湯浅先生は……家にいた感じですか?」

「ん?ああ、いると思うよ。
 だるくて、ベッドから出たくねぇとも言ってたし。
 だから風邪とかかと思ったんだけど」

「……」


ってことは、やっぱりあたしがさっき、先生の家に行ったとき、先生はマンションにいたんだ。


でも……
もしかしたらあたしかと思って……。



「ありがとうございました。
 先生の家に行ってみます」

「あ、ちょっと!」



ぺこりと神田先生にお辞儀をし、すぐにまた駅へと向かった。


もう……
いい加減、こんなに振り回さないでよ……。
 
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