続・危険なキス
「紫乃」
「……はい?」
恥ずかしさで、再び先生に背を向けていると、後ろから呼びかける声が聞こえた。
だけど振り返るのはまだ恥ずかしくて、返事だけ返す。
「やっぱお前には勝てねぇよ」
「………え…?」
だけどそれを聞いて、振り返った。
そこには、優しく微笑む先生がいる。
「もう絶対……無理だって思ってた。
弱さに負けて……お前から逃げて……」
「……」
「だけどやっぱり、お前のこと手離したくない。
自分の手で、幸せにしてやりたいから」
真っ直ぐと見つめ
プロポーズともとれるその言葉を聞いて
思わず言葉を失った。
だけど遅れて、涙がじわりと浮かんでくる。