続・危険なキス
 
周りの目を気にしてたどり着いた場所。

誰も見ていないことを確認して、物理室へと入った。


本当なら開いてないはずのそこは、なんの抵抗もなしに開いて……
あたしは中から鍵をかけると、さらに奥へと続く準備室へと手をかけた。





「………先生」



扉を開けた先に、本を片手に机にもたれかかる一人の先生。

あたしの呼びかけに気づくと、顔を上げ振り返った。



「おせぇ」

「だって……
 みんなと最後だって思うと、名残惜しくて……。

 先生こそ、女子生徒からの呼び出し、すごいんじゃないですか?」

「全部誘われた時に断った。
 手紙とかは全部無視」

「うわ……」

「何、行ってほしいの?」

「………嫌、です」



あたしの返答を聞いて、ニヤニヤと笑う先生。

なんか悔しい。
 
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