続・危険なキス
 
キスとともに降ってくるのは
先生からの愛撫。


いつもなら、ここは学校だと
必死に先生を制止してた。


だけど今日だけは……

もうここに来るのは最後だという今日だけは……



「ぁっ……せん、せっ……」



この手を止めず、
素直に感じていた。



「先生、じゃねぇだろ?」

「っ……奏人…」



まだ呼びなれない名前に、少し恥じらいを持ちながら見上げる。

満足そうに微笑む先生は、ちゅっと音を立ててあたしの額にキスをした。




「かな、とっ……好きっ……

 大好きっ……」




声を押し殺していても
その言葉だけは、ちゃんと伝えたくて

先生の首に腕を回して、ぎゅっと掴んだ。




「紫乃っ……

 愛してる」




今日あたしは

この学校を卒業し、

先生という呼び名から卒業した。

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