続・危険なキス
「なん…なんですか……いきなり……」
頬を紅潮させ、息を荒くしながら俺を睨む。
でもそれは、ただの上目づかいにしか見えなくて、このまま理性が崩れそう。
だからといって、ここは美術室。
鍵も閉めてないし、俺の場所でもないから、いつ誰が入ってくるか分からない。
このまま崩したい理性をなんとか保って、紫乃から離れた。
「お前、無防備すぎ」
「何それ……」
「俺以外にも、そんなふうに簡単に連れ込まれちゃうわけ?」
「そんなわけないじゃないですか!」
分かっているのに、わざとそんな意地悪なことを言って、ほんと俺って大人げねぇ……。
このまま怒って美術室を出て行くと思ったけど、紫乃はそんなことはせずに、
「………先生、だけに決まってるじゃないですか……。
ほかのやつなら、死ぬ気で抵抗します」
そっと俺のシャツを掴み、小さい声でつぶやく紫乃に、今すぐこの場で抱きたくなる。