続・危険なキス
「……お前、どこでそんなの覚えてくるんだよ……」
「何がですか?」
きょとんと見上げる顔は、本当に自分の行動の意味が分かっていないようで
「はあ…」とあからさまにため息をついて、なんとか欲望を吐き出した。
「今日、バイトだっけ?」
「あ、はい」
「終わったら迎え行くから。
家の人に、遅くなるって言っておけ」
「……」
その意味を分かった紫乃は、答えることをせずに頬を染めるだけ。
本当は今すぐこの場でめちゃくちゃにしたい。
だけどそんなこと、できるわけもなく……
なら、学校も仕事もバイトも終わった後
家に連れ込むしかない。
「おい、返事」
「……知りません」
だけど紫乃は返事をすることなく、美術室を出てしまった。