続・危険なキス
 
「紫乃ちゃん何飲んでるの?
 え、ウーロン茶じゃん!」

「お酒、飲めないんで」


嘘。
飲めないんじゃない。
お酒の匂いをさせて、奏人のとこへ行ったら、確実に怒られるからだ。


「飲めないとかいって可愛すぎ!
 でもカクテルとかなら甘いよ?飲んでみる?」

「いえ…結構です」

「紫乃ちゃん、相変わらずガード固いなぁ……」


と、相変わらず饒舌に述べている。


「俺さー、新歓の時行けなかったから知らないんだけど、
 紫乃ちゃんの彼氏って、すげぇイケメンってほんと?」

「……どうでしょうね。そうかもしれません」

「俺よりも?」

「それは……ははっ」


いったいその質問に、どう答えればいいんだ……。

もう笑ってごまかすしかなかった。




「俺さー、ほんと紫乃ちゃんタイプなんだよね。
 本気で落としにかかっていい?」




肩に手をかけて、低い声で耳に囁く。


あああ……
鳥肌がたつ。
 
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