続・危険なキス

　
その余裕な顔が腹立つ。

あたしばっかりいつも仕打ちを受けるみたいで
結局いつも奏人には勝てない。


だからといって、この行為で奏人より勝るなんて思ってないけど……。



「お前が悪い」

「なんで……」

「最近のお前が、無性に可愛くなってるから」

「……え？」



予想もしていなかった言葉に、目を丸くさせて奏人を見上げていると、
奏人は煙草を灰皿に押し付け、あたしのとこへ戻ってきた。



「出逢った頃から、もともと綺麗な顔してたけど……
　なんていうか、それは人形を見るような綺麗さみたいなもんだったんだよ。

　だからあまり、誰もお前に寄ってこなかっただろ？」


「……まあ…」



確かに、高校生まではそこまでモテた人生ではなかった。

どちらかというと、いつも人から遠巻きにされていたので、自分が美人だとかそんな自覚は全くない。


けど、
奏人と付き合うようになってから、
急にモテ期が来たかのように人が寄ってくるようになった。