続・危険なキス
多少乱れてしまった衣服を戻し、鞄に出していた携帯をしまって立ち上がった。
「帰るよ?」
「……」
だけど、奏人は座ったままで、うつむいたまま動かない。
いつも家にいるときは、家まで車で送ってくれるのに、今日はそんな気配を見せなくて、どうしたものかと思った。
「奏人?」
「……無理」
「え?」
顔を上げた瞬間、そこにいたのは真面目な顔をした奏人。
ふいをつかれたその表情に、ドキッとしてしまった。
「紫乃」
「な、なに……?」
「一緒に暮らすか」
耳に入ってきた言葉は、
予想だにしていなかった言葉だった。