続・危険なキス
 
と、お母さんが知っているのは奏人が学校の教師をしていることまで。

だから当然、あたしが付き合っている相手が、あの湯浅先生だとは知らない。


これを知ったら、どうなるんだろう……。


いろいろな不安が入り混じって、
一緒に住むとか、それ以前の問題で、この先両親に会わすことができるのかとさえ思っていた。


だけど……




「次の週末、両親は?」

「え?多分……家にいると思うけど……」

「じゃあ、挨拶に行くって伝えておいて」

「ええ!?」



さらりとそんなことを言ってのける奏人に、つい声を上げてしまった。


「じゃ、帰るか。
 行くぞ」

「ちょっ……奏人っ!」

「ん?」

「大丈夫……なの…?」



「大丈夫も何も、
 いつかは会う親だろ。

 逃げてらんねぇから」



きっぱりと言い放つ奏人が、少しカッコイイと思ってしまった。
 
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