続・危険なキス
「そうだったのねぇ……。
最近、紫乃に好きな人でもできたのかなー、なんて思ってたけど、まさか湯浅先生だったなんてね」
「紫乃さんとは家庭教師でもあり、高校の担任でもありましたので、世間では決して公にできる立場ではなく……。
ご挨拶が遅れました」
「紫乃とはいつから?
えっと……そういう関係になっていたのかしら」
「……卒業をしてからです。
といっても、紫乃さんに惹かれていたのはもっと前からですが……。
紫乃さんは本当に魅力的な女性ですね」
にこりと微笑み、悩殺スマイル。
完全に、仮面をかぶった湯浅先生スタイルで、久々に間近で見たその姿に、あたしの眉が若干引きつってた。
惹かれる前から、手を出していたのは貴方でしょうが……。
いや、あたしのほう、なのかな……。
なんて、過去を一人で思い出していた。
それからは、とくに問題は起きなくて
団らんな時間が続いた。
と言っても、お母さんが一方的に奏人に質問しているだけだけど。
お父さんは、たまに相槌を打つ程度だった。