続・危険なキス
1時間近く団らんの時間を過ごして、ふいに奏人の声が真面目になった。
「すみません。あの……」
「はい?」
そんな奏人の声色に、お母さんも顔は微笑んだままだったけど、目を丸くして聞き返す。
「今日は一つ、大事なお話があって来ました」
きた……。
落ち着いていた心臓が、再び加速しだし、手汗もにじむ。
「紫乃さんと……
一緒に住むことを許していただけないでしょうか」
奏人の澄んだ声が、リビングに響きわたった。
今まで笑い声で溢れていた空間が、いっきにシンと静まり返ったようだ。