続・危険なキス
 
「一緒に住む、っていうのは……
 えっと……同棲したい、ってことでいいのかしら」

「はい……」


同棲。という響きを聞くとなんだか生々しい。


やっぱり、親世代になると、同棲ってあまりいいイメージないよね。



「と言っても、もちろん安易な意味の同棲じゃありません。

 先を見越しての同棲と思ってくれて構いません」


「先を見越して、って言うのは?」


「もちろん、将来紫乃さんと共にするという意です」


「え……?」



奏人の急なその発言を聞いて、思わず伏せていた顔を上げた。


将来共にする、って……
それって……。



「僕としては、彼女さえ望めば、今日にでも結婚しても構わないと思ってます。
 けど、彼女はまだ学生の身で、まだまだ一人の人間として様々なことに挑戦したいと思っていると分かっていますし、僕もそうしてもらいたい。

 だけど僕の我儘でもありますが、籍というくくりがなくても、紫乃さんにパートナーとして、僕の傍にいてもらいたいんです」



たまにあたしへ優しい視線を送りながら、真っ直ぐとお父さんとお母さんを見て、その想いを伝える奏人。



こんなの、同棲するためのでまかせかもしれない。

だけど……



涙がこぼれそうだよ……。
 
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