続・危険なキス
「強くて……儚い女性です」
奏人の言葉を聞いて、イマイチ自分にピンとこなくて首をかしげる。
奏人はさらに言葉を続けた。
「僕は、紫乃さんの強さにたくさん救われてきました。
紫乃さんがいたから、人を本気で好きになることができました。
だけど……紫乃さんは、自分の中で抱え込みすぎるので、何かの弾みで壊れてしまいそうだと、いつも感じてます。
だからこそ、そうならないよう、僕が傍にいてあげたいと思ってます」
「……」
初めて聞いた、奏人からのあたしのイメージ。
なんだかむず痒い。
お父さんは奏人の答えを聞いて息を吐くと、
「よく見てるじゃないか」
口元をゆるめた。
「紫乃には、君のような人が必要なのかもしれないね」
「柊さん……」
「娘を、よろしく頼むよ」
お父さんは深く頷いた。