続・危険なキス
「すごい……
まさか本当に、お父さんとお母さんを説得しちゃうなんてね……」
「ま、な。こんなもんだろ」
「……」
話がまとまって、奏人を駅まで送る中、
隣で話す奏人の口調は完全に元通りに戻っていて……。
「ねえ。お父さんたちの前では、ずっと仮面かぶってるつもりなの?」
「どういう意味?」
「だって……
この先ずっと一緒にいたら……さ……」
そこまで言って、つい口ごもってしまった。
さっき、奏人はあんなことを言ってくれたけど、果たしてあれは本心だったんだろうか……。
奏人のことだ。
あれも仮面の一部で、その時のでまかせだけで言った言葉。
だからべつに……
将来共にしたい。
とか……
そこまで考えてないのかもしれない。
「何?急に黙って」
「……なんでもないです」
「敬語に戻ってるし」
急に黙ってしまったあたしに、奏人は少しだけめんどくさそうにため息をついた。